新機軸の導入
特殊な装置のある弁当の例としては、1988年に神戸市の「淡路屋」が生石灰と水の反応熱を使用した加熱装置を組み込み食べる前に紐を引いて加熱する駅弁を売り出した例がある。この加熱装置付き駅弁は淡路屋だけでも現在6種類が発売されており、淡路屋以外にも追随した業者がある。
弁当そのものを製造原価の安い海外で調製し日本まで冷凍して運び解凍して販売することで、コンビニ弁当などと対抗することを目指した駅弁が開発されたことがある。JR東日本関連会社の日本レストランエンタプライズが販売した「O-bento」がそれで販売当初は売上げを伸ばしたがBSE問題により牛肉関連弁当の製造、輸入中止に追い込まれてから売上げが激減したため2007年10月までに在庫切れ分で販売を終了している。ただしこの「O-bento」は既存の駅弁とは大きくスタイルの異なる商品であり、一般的な駅弁のイメージに合致するものではなかった。
駅弁調製業者は、大きく2分極化している。
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一方に、駅弁専業あるいは旅館などの内職として作られ続けてきた駅弁がある。それらの調製元は小規模な業者がほとんどであり、衰退傾向にある。近年に廃止された駅弁・廃業となった業者のほとんどは、こちらのカテゴリーに属する。
もう一方に、駅弁業者を発端として発展しそれぞれの地域で最大級の食品企業となっている調製元がある。たとえば千葉駅の万葉軒・高崎駅の高崎弁当・横浜駅の崎陽軒・静岡駅の東海軒・敦賀駅の塩荘・広島駅の広島駅弁当などである。これらの調製元は出自として駅弁を守ってはいるものの実体としてはすでに駅弁調製業者というのは不適切であり、地域の中核食品企業と呼ぶべきであろう。たとえば塩荘は日産25000食の供給能力を持つとしており、広島駅弁当に至ってはイベントの際に日産48000食を供給したという実績を持っているほどである。これらの業者は駅弁だけではなく、その地域のコンビニ弁当・スーパー弁当などにも進出している。